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強力なサイクロンがインドとバングラデシュに上陸 – 避難活動により多くの人命を救助

FORUMスタッフ

2019年5月、大型熱帯低気圧「サイクロン・ファニ(Fani)」がインドとバングラデシュの沿岸を急襲したが、暴風雨警報の早期発令と大規模な避難活動の実施、および軍隊と民間救援機関の適切な連携活動により死者数が劇的に減少した。

2019年5月2日のインド上陸時に風速185キロを記録した同サイクロンは、オディシャ州を襲った嵐の中で2013年以来最強のものとなった。ストレイト・タイムズ(The Straits Times)紙が報じたところでは、 2019年5月中旬時点でインドとバングラデシュにおける死者数は77人に及んでいる。

オディシャ警察のアルン・ボスラ(Arun Bothra)総監は、暴風雨に対する適切な準備態勢を整えていたことで死者数を抑えることができたと述べている。

ボスラ総監はBBCニュースに対して、「莫大な被害が及ぼされた…しかし幸いなことに、同サイクロンを予報し、その動きを分刻みで詳細に伝えてくれた人々のお陰で、政府は120万人の人々を早期に避難させることができた」とし、「避難活動は大きな成功を収め、死傷者数も非常に少なくて済んだ」と語っている。

インドとバングラデシュでは約270万人が安全のために避難し、サイクロンの直撃から逃れている。国連とインド当局は、数え切れないほどの命を救った大規模な避難活動を正当に評価している。これを「史上最大の避難活動」と表現する声も挙がっている。

UPI通信社によると、国連防災機関(UNDRR)のデニス・マクリーン(Denis McClean)報道官は、「死者が発生する可能性を最小限に抑えたという点で、非常に良好な措置であったと考えられる」とし、「インド気象局(IMD)が極めて正確かつ早期に警報を発令したことで、著しく的を絞った避難計画を遂行することができた」と説明している。 

ニューヨーク・タイムズ紙の報道によると、インド当局は公共の警報システム経由で警報を放送し、危険地域の住民にテキストメッセージと警告を送信しただけでなく、危険度が最も高い地域の住民にバスを派遣している。(写真:猛威を振るった「サイクロン・ファニ」がインド東部のオディシャ州に残した爪痕)

同州の幹部、ナヴィーン・パトナーヤク(Naveen Patnaik)首相は記者団に対して、「オディシャ州沿岸付近がスーパーサイクロンの被害に見舞われるという大規模災害が発生したわけだが、途方もない大悲劇に陥ることなく、当州はすでに重要なインフラ修復に着手している」と説明した上で、これが変革を遂げたオディシャ州の姿である」と述べている。

ベンガル湾ではサイクロンの季節が4月から12月まで続くことがあり、多くの場合、その強力な暴風雨により壊滅的な影響がもたらされる。ロイター通信によると、1999年に発生したサイクロンは30時間にわたりオディシャ州で荒れ狂い、死者数は1万人に及んだ。

気象警報と大規模避難活動に加えて、救助の準備として両国の軍事資産が事前に配備されていた。サイクロン・ファニがインド沿岸に猛スピードで接近したことを受け、インド沿岸警備隊は34隊の災害救助隊を配置し、緊急支援物資を積載した4隻の船舶を手配したと、ザ・ヒンドゥー(The Hindu)紙は報じている。

ダッカ・トリビューン(Dhaka Tribune)紙が報じたところでは、バングラデシュ海軍もまた、3日間2,000世帯に対応できる容量の緊急用乾燥食品を4隻の海軍艦艇に積載し、嵐が収まった後に医療処置を提供できるように特別医療チームを編成したとしたと述べている。

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