目前に迫った韓国・インドネシア製新戦闘機の試験
フェリックス・キム(Felix Kim)
2019年3月、韓国とインドネシアが共同開発している多用途「セミステルス」戦闘機の試験準備が2021年に整う予定であると、韓国国防部が発表した。
インドネシアではIF-Xとして知られるKF-X戦闘機は、大韓民国国軍とインドネシア国軍が現在採用している既存の戦闘機の代わりとして開発されているものである。
インドネシアのアンタラ通信社(Antara News Agency)によると、KF-X/IF-X戦闘機(写真参照)は「第4.5世代ジェット戦闘機」またはセミステルスマルチロール機と呼ばれる戦闘機である。この2台のエンジンを搭載した戦闘機には、そのステルス性に加えて、高度なアビオニクスと空中給油機能が備わっている。
1つの名前で知られるインドネシアのウィラント(Wiranto)政治・法務・治安担当調整相は、「インドネシアの安保と経済にとって、KF-X/IF-Xプロジェクトを成功させることが非常に重要である」と、ニュースリリースで語っている。
韓国に所在する湖原大学(Howon University)防衛科学技術部のチョイ・ミョンジン(Choi Myoung-jin)教授はFORUMに対し、「韓国は高度なレーダー技術を備えた競争力のある第4.5世代ジェット戦闘機を開発できると確信している」とした上で、「韓国との共同プロジェクトにより、インドネシアも独自の戦闘機を所有することを強く希望している。同協定の下、約50機の戦闘機と主要技術の洞察が得られる予定である」と説明している。
チョイ教授の説明によると、インドネシアは戦闘機開発費の20%を負担することに同意している。2018年9月に開催された韓国の文在寅(Moon Jae-in)大統領とインドネシアのジョコ・ウィドド(Joko Widodo)大統領の首脳会談の後にインドネシア政府が約束の投資額の一部を支払ってから、同プロジェクトに勢いがついた。
同教授は、「当初は自国で製造したT-50練習機の輸出市場を見つけるのに苦労していた韓国にとって、最近の動きは良好な兆候である」とし、「投資は技術的進歩の鍵となるものであり、韓国が開発して独自の製造に利用できる新技術は多く存在している。インドネシアは高度な練習機の輸入計画を策定しており、韓国における独自の戦闘機開発に投資することの必要性もよく理解している」と説明している。
韓国国防部によると、T-50はロッキード・マーティンから技術支援を受けて韓国航空宇宙産業(KAI)が開発した高度な超音速練習機・軽攻撃機である。
KF-X/IF-X航空機は2026年までに開発を終え、韓国に120機、インドネシアに48機、合計168台の量産が予定されていると、アンタラ通信社は報じている。韓国航空宇宙産業とインドネシアの航空機製造会社であるインドネシアン・エアロスペースが同プロジェクトの主要請負業者となっている。
同教授が指摘するところでは、最大の課題は資金調達に加えて所有権と技術移転にあるようである。
「現時点では、両国が共同開発している技術は共有するが、最終的に韓国は独自の技術を維持すると考えられる」と推測する同教授は、「韓国では第4.5世代ジェット戦闘機に使用できる高度なレーダーの設計・製造能力が大幅に進歩している。したがって、高度な観測機能と検出機能を開発できる」と説明している。
公表された報告書によると、「セミステルス」とは、ダッソーのラファール戦闘機やユーロファイタータイフーンよりも優れたステルス性を備えてはいるが、米国製の第5世代F-35戦闘機ほどのレベルには達していない性能を意味する用語である。
地域の技術革新と自国の防衛ニーズの国内供給という点で、KF-X/IF-X開発は韓国にとって重要なプロジェクトであり、地域パートナーとの協力と他市場への参入により一層進展を促進できると、同教授は強調している。
同教授はまた、「同プロジェクトが成功すれば、他の国々が戦闘機に興味を示し、それが輸出につながると考えられる」とし、「韓国は自国の兵器開発に先立ち、先進国の製品を模倣することから兵器製造を開始した。現在、韓国は輸出市場を探している」と締めくくった。
フェリックス・キムは、韓国ソウル発信のFORUM寄稿者。