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国連、北朝鮮に対する制裁違反容疑について約20ヵ国を調査中

AP通信&フランス通信社

北朝鮮に対する国連制裁の違反容疑について約20ヵ国の国々を調査していると、国連の専門家等が発表した。これには、中国における内密の核調達、シリアでの武器仲介、およびイラン、リビア、スーダンとの軍事協力などの容疑が含まれる。

国連安全保障理事会に提出された専門委員会による66ページの報告書の内容をAP通信が2019年3月中旬に取得したところでは、北朝鮮は奢侈品の禁輸措置の対象となっているにも関わらず、ロールスロイスのファントムリムジン、メルセデス・ベンツのリムジン、高級車のレクサスLX 570 4WDが国内で目撃された件に関する詳細も同報告書に含まれている。

また、同報告書では、「サイバー攻撃を利用して違法に金融機関に資金移動や暗号通貨取引を強制する」ことで、金融制裁を回避する北朝鮮の傾向が指摘されている。

2019年2月上旬に同通信社が取得した報告書のエグゼクティブサマリーによると、北朝鮮の核・ミサイル計画は「残存」しており、同国首脳陣は「斬首」攻撃を防ぐことを目的としてミサイル組立・試験施設を分散させている。

詳細報告書には、2018年11月までに撮影された衛星画像には水路の掘削や原子炉の排水施設付近に新設された建物が写っていることから、「寧辺核複合施設では今も活動が続いてる」と記されている。同報告書によれば、衛星画像から「放射化学実験施設や蒸気プラントが稼働している可能性」も伺える。

専門委員会は北朝鮮のウラン濃縮工場と採鉱現場を引き続き監視すると述べている。

同委員会はまた、「活動が行われている弾道ミサイル施設を調査、確認、報告」し、北朝鮮が一貫して「製造、保管、試験施設を分散させる傾向にあるとの証拠を掴んだ」とも言及している。

さらに、民間施設を使用することに加えて、北朝鮮は「以前遊休施設だった場所か広大な軍産複合施設を発射場」として使用する模様であると報告している。こうした場所は製造・保管場所の近辺または10km圏内に所在している。

同委員会はこの傾向の例として、2017年7月4日に亀城の航空機工場で実施された大陸間弾道ミサイル「火星14」の試験発射およびその24日後に行われた舞坪里からの発射を挙げている。同委員会によると、同年8月29日と9月15日に実施された中距離弾道ミサイル「火星12」の発射には、国内最大の民軍飛行場とされる平壌国際空港(順安空港)が使用されている。

貿易制裁に関しては、専門家等は「核調達活動」について、国連の制裁対象リストに載っているナムチョンガン・トレーディング・コーポレーション(Namchongang Trading Corp.)とナムハン・トレーディング・コーポレーション(Namhung Trading Corp.)の中国企業2社、および関連するダミー会社とその代表者を引き続き調査するとしている。

さらに同委員会は、「圧力トランスデューサー」など、核調達において「ネック」となる装置の製造業者も、最終用途の納入確認方法に焦点を当てながら世界各地で調査を進めていると述べている。

専門家等によると、北朝鮮とシリアのバッシャール・アサド政権間における「禁止行為に関する複数の調査」も続行されている。

これには、北朝鮮の代理として「さまざまな中東・アフリカの国々で武器仲介に従事し、伝えられるところでは、イエメンとリビアの武装勢力に定期的に武器、場合によっては弾道ミサイルを提供している」と報告されたシリア人等、および制裁対象の「事業体」とシリアの防衛工場に関与している北朝鮮人等が含まれると、同委員会は発表している。

専門家等によると、北朝鮮の軍事協力に関してイランは「最も有利な2市場のうちの1つ」であり、国内に所在するコリア・マイニング・デベロップメント・トレーディング・コーポレーション(Korea Mining Development Trading Corp.)とグリーン・パイン・アソシエイテッド・コーポレーション(Green Pine Associated Corp.)両社の事務所が「活動を行っている」と、ある国が委員会に伝えている。情報提供元の国名は明らかにされていないが、イラン在住の北朝鮮人が現金運搬係としての役割を果たしていることを同国が示唆していると、報告書は伝えている。

報告書によると、イラン政府は同国在住の北朝鮮人は外交官のみであり、国連制裁に違反する行為は行っていないと同委員会に回答している。

北朝鮮とリビア当局間の「複数回に上る軍事協力の試み」およびこれらに関与する制裁対象の「事業体」と代理として機能している外国人に関する調査を継続していると、同委員会は述べている。

専門家等によると、シリアの武器密輸業者が関与する活動や「対戦車兵器や携帯式防空ミサイルシステム」の技術に関する情報を含め、北朝鮮とスーダン間の軍事協力計画の調査も引き続き進められている。

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