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米国との情報共有協定締結を検討するバングラデシュ

バングラデシュの日刊紙、プロトム・アロ(Prothom Alo紙が報じたところでは、バングラデシュは米国と軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を結ぶことを検討している。

同紙によると、インド太平洋地域の暴力・テロ対策に関する二国間の安保提携が良好に機能していることから、米国高官等は同協定の締結を支持していると高官等は述べている。

軍事情報包括保護協定を調印すれば、共有機密情報が確実に同等の基準で保護および処理されるため、締結国と米国は機密情報を直接的に相互共有できるようになる。

バングラデシュのインターネット紙「BD News24.com」が伝えたところでは、2019年6月にワシントンDCで開催された第7回米国バングラデシュ・パートナーシップ対話において、米国とバングラデシュの両政府は安全、開発、人道支援・災害救援(HADR)、およびテロ対策に関する緊密な協力を強調し、永続的な提携体制へのコミットメントを再確認している。

BD News24.comには、「自由で開かれた、そして包括的かつ平和で安全なインド太平洋地域を確立するという共通の構想の推進に向けて緊密に協力を続けることに両政府が合意した」と記されている。同会議では、バングラデシュのシャヒドゥル・ホック(Md.Shahidul Haque)外務上級次官と米国のデビッド・ヘイル(David Hale)政治担当国務次官が共同議長を務めている。

米国は51ヵ国以上と軍事情報包括保護協定を締結しており、インド太平洋諸国で米国と同協定を結んでいる国としてはインド、日本、シンガポール、タイが挙げられる。

米国と秘密軍事情報を共有する協定を締結することで、戦略的提携を確立し、高度な有償軍事援助に参加する機会などのメリットが得られることで、国家間の相互運用性が向上する。

BD News24.comとプロトム・アロによると、米国とバングラデシュの両当局は、2019年を通した長期的な防衛関係におけるさまざまな側面について綿密な協議を行っている。(写真:2019年6月にバングラデシュのラルモニールハット県で開催された「パシフィック・エンジェル(Pacific Angel)」演習の式典に参加するバングラデシュ空軍のM・ナズール・イスラム(M. Nazoul Islam)少将(中央)と他のバングラデシュ空軍将校および米国空軍・陸軍将校。多国籍人道支援における民軍連携を図る「パシフィック・エンジェル」は、インド太平洋地域における軍隊間の提携体制の改善および衛生・工学支援の実施を目的とする演習)

軍事情報包括保護協定に加えて、米国とバングラデシュの上層部は物品役務相互提供協定(ACSA)締結についても協議している。これにより、米軍は食料、燃料、輸送手段、弾薬、設備といった基本的な支援を支給・交換できるようになる。軍事情報包括保護協定と物品役務相互提供協定は、米国とその同盟・提携諸国の軍隊間における相互運用性確立の基盤となる4協定のうちの2つである。

現在、バングラデシュ平和安全研究所(BIPSS)の会長を務めるバングラデシュ軍のムニル・ムニルザザマン(Munir Muniruzzaman)退役少将はプロトム・アロに対して、「インド太平洋戦略により、同地域における食料、燃料、弾薬の安全な輸送に関する訓練と運動を米国は非常に重要な要素と捉えている」と説明し、「インド洋における災害対策準備および同地での訓練実施に関して、米国政府はインド洋地域に重きを置いている」と述べている。

米国当局が説明したところでは、防衛協定は同地域の安保協力体制を強化し、バングラデシュと東南アジア諸国とのより強固な安保関係構築を推進することを目的とするものである。

米国の専門家等によると、主権国家が米国と締結する合意や協定の中で、軍事情報包括保護協定は最も重要な協定の1つとして位置付けられる。軍事情報包括保護協定により情報共有が可能となるだけでなく、米国製軍用機器調達プロセスが合理化されることで、締結国は米国製のAH-64アパッチ・ツインターボシャフト攻撃ヘリコプター、F-16/F18多用途戦闘機、地対空防衛システム、通信機器などの軍用機器を必要に応じて容易に購入できるようになる。

提携諸国は機密情報を米国と共有する必要はなく、また軍事情報包括保護協定に基づき米国から機器を購入しなければならないという規定もないが、同協定下では、米国が機密情報を共有した場合は締結国政府が当該機密情報を保護する責任を負う。

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