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東ティモールとの海上国境を定める条約をオーストラリアが批准

2019年7月下旬、東ティモールとの海上国境を定める法案がオーストラリアで可決された。これにより、両国による沖合いのグレーター・サンライズガス田からの収入分割に関する枠組が確立される。

2018年3月にオーストラリアと東ティモールが歴史的な条約に合意したことで、両国間で長期にわたって発生していた海上国境線を巡る紛争に終止符が打たれようとしている。同紛争により、グレーター・サンライズガス田の開発が遅延していた。1974年に発見された同ガス田のガス埋蔵量は5兆1,000億立方フィートと推定されている。

オーストラリアのスコット・モリソン(Scott Morrison)首相は、「条約が成立したことにより、オーストラリアと東ティモールは提携し、両国の利益のためにグレーター・サンライズガス田を共同開発する準備が整った」と述べている。

「グレーター・サンライズガス田の開発により、東ティモールには収入だけでなく、商業・工業発展につながる新たな機会がもたらされる。これは同国の経済的な未来にとって重要な要素である」

条約に基づき、東ティモール側にガスが輸送されれば、東ティモールがその収入の70%、処理工場がオーストラリアにある場合は、東ティモール側が収入の80%を得ることになる。

オーストラリア側はその大陸棚に沿って境界線を定めることを希望していたが、海上国境線はオーストラリアと東ティモールの海岸線の中間に設定するべきと東ティモールが主張していた。そうなれば、グレーター・サンライズガス田の大部分が東ティモールの領海内に属することになる。

東ティモールの外務・協力大臣は8月30日に同条約の批准が行われると述べている。この日は1999年に世界最貧の太平洋小国でインドネシアからの離脱が投票により決定された同国の「住民投票記念日」に当たる。

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