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国連総会に合わせて30の国々・組織が非難の声を挙げた中国によるウイグル族への「凄絶」な虐待

新疆ウイグル自治区のウイグル人弾圧に対する国際連合からの批判を沈黙させようと躍起に宣伝攻勢を推進する中華人民共和国(中国)を尻目に、ニューヨークで国連総会が開催された2019年9月の第4週、中国の少数民族虐待は世界的に注目を集めることになった。

各種報道機関が伝えたところでは、米国のジョン・サリバン(John Sullivan)国務副長官および同等の職務を担うカナダ、ドイツ、オランダ、英国の閣僚等主導の下、「中国の凄絶な弾圧政策の速やかな終結を要求・強制する」ことを目的として、30ヵ国を超える国々と20の非政府組織およびウイグル人犠牲者等が国連総会に合わせて結集したと、サリバン国務副長官が発表した。

国連や他の組織の発表によると、2017年4月以来、中国北西部に位置する新疆ウイグル自治区において、中国政府は民族の文化的・宗教的アイデンティティを表現したことを理由に、主にウイグル族を中心とする100万人以上のトルコ人イスラム教徒を強制収容してきた。(写真:中国政府により葬られた100万人を超すウイグル族や、他のイスラム教徒少数民族が眠る新疆ウイグル自治区ホータン地区郊外のウイグル人墓地を訪れる女性)

フランス通信社(Agence France-Presse)によると、2019年9月25日に開催された会議において、収容施設は「テロリスト」更生プログラムの一環である職業教育訓練センターだという中国側の主張に反論を唱えた同国務副長官は、「これは、侵されざるべき権利であるはずの宗教の自由を自国民から剥奪する中国共産党の組織的な政策である」と主張している。

ロイター通信が報じたところでは、同国務副長官は国連加盟国に対して、国際連合人権高等弁務官事務所(COHCHR)が「妨害・監視を受けずに、迅速に」新疆ウイグル自治区に立ち入り、中国による人権侵害の疑惑を厳密に監視する手立てを講じるよう要請している。

さまざまな人権団体や収容所の元拘留者の主張によると、残虐行為や強制労働から拷問、そして不審な死亡例に至るまで、同収容所ではウイグル人に対する深刻な虐待が行われている。

ビジネスインサイダーのウェブサイトによると、スイスのジュネーブで開催された国連人権理事会通常会期中の2019924日、迫害を受けた宗教的・民族的少数派の多くの臓器摘出に中国政府が従事しているという証言が、同問題を調査中の中国民衆法廷から提示された。中国民衆法廷はオーストラリアの人権擁護団体からの支援を受ける団体である。

一方、中国は「国連における新疆ウイグル自治区関連の議論を阻止するために攻撃的な宣伝攻勢を展開している」と、2019年9月24日にニューヨーク・タイムズ紙が報じている。

外交的・経済的手段を活用して、効果的に関係者等に贈賄した、または沈黙を強要した中国の行為が同紙には詳述されており、中国政府は同問題に関して、財政的支援取り止めを脅しに利用してアフリカ、アジア、中東のイスラム圏さえも自国の味方に付けようと企んだと同紙は結論付けている。

たとえば、2018年、中国はトルコのエネルギー・輸送関連プロジェクトに関して3,600億円相当(36億米ドル)の融資を支援している。ニューヨーク・タイムズ紙が伝えたところでは、以来、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は中国の習近平(Xi Jinping)主席を政治的に支持している。

バラク・オバマ(Barack Obama)政権時代に東アジア・太平洋を担当したダニエル・R・ラッセル(Daniel R. Russel)国務次官補はニューヨーク・タイムズ紙に対して、「新疆ウイグル自治区の問題については非常に多くの政府が他の方法を追求して、自主検閲を行っている」と説明し、「中国政府は自ら公言した『核心的利益』についてはその悪名が知れわたるほどに刺々しいため、中国と良好な関係を維持することで得られる経済的利益を危険に曝そうとする国、ましてや中国の報復を受けるような立場になりたがる国はほとんどない」と述べている。

しかし、米国当局者等は中国政府を公然と批判し続けている。以前、マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)米国務長官は中国政府によるウイグル人の扱いを「世紀の汚点」と表現して非難したことがある。

ロイター通信によると、強制失踪や恣意的抑留に関する疑惑の調査を目的として、ミシェル・バチェレ(Michelle Bachelet)国際連合人権高等弁務官は特に新疆ウイグル自治区への国連立ち入りを許可するよう中国に繰り返し圧力をかけている。しかし、中国は組織的な工作を通じて国連の立入検査を支援する勢力の弱体化を図ってきたと、ニューヨーク・タイムズ紙が伝えている。

フランス通信社によると、サリバン米国務副長官は会議において、「人権と基本的自由に対するこの攻撃に我々がどのように対応するかによって、国際社会に下される歴史的な評価が左右される」と語っている。

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