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中国への対抗を目的として、米国がG7人工知能パネルに参加

AP通信社

人工知能(AI)の使用に関する倫理ガイドラインを設定するための国際パネルに米国が参加した。

米政権のマイケル・クラツィオス(Michael Kratsios)最高技術責任者(CTO)は、市民の自由を脅かすために中国共産党(CCP)が開発し利用する「歪んだ技術」への対策として、民主主義の共通原則を確立することが重要であると述べている。

クラツィオス最高技術責任者は、「中国の技術企業は、国連で顔認識と監視に関する国際基準を確立しようとしている」と話している。(写真:2018年10月に北京で開催された第14回セキュリティチャイナ[China International Exhibition on Public Safety and Security]に出展された顔認識技術による人工知能防犯カメラ)

世界で最も経済的に豊かな民主主義国家で構成される「G7」の技術閣僚が仮想会議を開催し、「AIに関するグローバル・パートナーシップ」を立ち上げた。カナダとフランスの指導者等が、「人権、包摂、多様性、革新性、経済成長」という共通の原則に基づいて責任あるAIの採用を指導する委員団を結成すると発表してからほぼ2年が経過している。

規制に過度な焦点を合わせると米国の技術革新が妨げられるとして、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米政権はこのアプローチに異議を唱えていたが、同最高技術責任者の発言によると、昨年に行われた一連の交渉と委員団が焦点を当てる範囲の変更という過程を経て、今回米国が参加する成り行きとなった。

同最高技術責任者は、「米国はこれが単に規格設定や政策決定だけを行う機関にはならないことを明確化するために大きな努力を払った」と説明している。

ボストンのノースイースタン大学で主にコンピュータ倫理を扱う准教授のケイ・マティーセン(Kay Mathiesen)博士は、米国の技術企業が世界的に大きな役割を果たしていること、および米国は歴史的に人権擁護活動に関与していることから、米国の関与は重要であると説明している。

マティーセン博士は、「Microsoft、Google、Appleなどの米ハイテク企業はすべて、責任を持って人工知能を使用する上で自社が従わなければならないガイドラインについて心配している」とし、「こうした企業は世界的に拠点を展開しているため、米国が関与していなかったからと言って、他のG7諸国が設定した規制に従わなくてもよいということにはならない」と話している。

中国が構築したAIアシスト監視ツールの精査に対する米国の取り組みは、両国が技術的優位性を争うより広範な貿易戦争対策にも適合する。

最近、新疆ウイグル自治区(XUAR)北西部におけるイスラム教徒弾圧に関与したとして米国は複数の中国企業に事実上の禁輸措置を発動したが、2020年6月1日、中国共産党は同制裁の撤回を要求した。

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