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ファーウェイ社を追起訴:制裁対象国の北朝鮮とイランとの取引隠蔽

FORUMスタッフ

米国の企業秘密を窃盗した従業員を報償する制度を導入し、国際制裁に違反してイランと北朝鮮と取引を行った容疑で、中華人民共和国(中国)の大手通信会社であるファーウェイ(Huawei Technologies Co. Ltd.)社が追起訴された。

従来は組織犯罪訴追に用いられる「威力脅迫および腐敗組織に関する連邦法(RICO)」を基に、米国司法省は米国技術企業6社に対して企業秘密窃盗を図った罪でファーウェイ社とその米国子会社2社を起訴した。

ナショナル・インタレスト誌が報じたところでは、2020年2月12日にニューヨーク地裁に提出された起訴状によると、米国企業からの盗難物には企業秘密、インターネットルーターの構築マニュアル、アンテナ、著作権で保護されているコンピュータコードが含まれている。

政府がニュースリリースで発表した内容によると、ファーウェイ社は最初から違反する意図を持って競合他社と機密保持契約を締結し、競合他社の従業員を唆して自社の企業秘密を盗ませた。

米国司法省は、「計画の一環として、競合他社から機密情報を入手した従業員に報いる報酬制度を導入する方針を策定した容疑がファーウェイ社にかけられている」とし、「同方針により、貴重な情報を提供した従業員が経済的報酬を受けていることが明らかとなった」と発表している。

起訴状にはまた、ファーウェイ社が一部の制裁対象国と取引を行った容疑も記載されている。ロイター通信によると、2009年にテヘランで反政府デモが発生した際、抗議者等を監視、特定、拘束することを目的として、ファーウェイ社がイランに監視機器を設置している。

さらに、ファーウェイ社はHSBCや他行の幹部等に対して、イランに拠点を置く企業と自社の関係を隠して連邦法に違反した罪でも起訴されている。

ファーウェイ社が関与した制裁対象国はイランだけではない。秘密主義体制の下で展開される核計画と人権侵害の抑制を目的とする米国、欧州連合、国連の制裁に違反して、同社は北朝鮮との取引も隠蔽した疑いがかけられている。

今回の追起訴で発表されたこの新たな容疑は、2019年にファーウェイ社が北朝鮮政府の商用無線通信網の構築と整備に密かに関与したと報道したワシントン・ポスト紙の報道に端を発している。

同紙が報じたところでは、ファーウェイ社は8年間にわたり、数多くのプロジェクトに関して中国の国営企業、熊猫国際信息技術(Panda International Information Technology Co. Ltd)と提携を結んでいる。ワシントン・ポスト紙の記事は、ファーウェイ社元従業員から提供された作業指示書、契約書、スプレッドシートに基づくものである。

5Gモバイルネットワークの構築に関して、米国政府は同盟諸国に対して、ファーウェイ社の機器を使用しないよう繰り返し求めてきた。同社の過去の行動および中国共産党(CCP)との癒着が米国の懸念の要因となっている。

米上院情報特別委員会のリチャード・バー(Richard Burr)委員長とマーク・ワーナー(Mark Warner)副委員長は共同声明で、「法律を全く考慮しない違法組織の不正の証拠となり得る行為が起訴状には一覧されている」と述べている。両上院議員はこれを「国家主導の犯罪企業、ファーウェイ社対策の重要な第一歩」と表現している。

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