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オーストラリアが太平洋島嶼諸国に感染症迅速検査キットを提供

ロイター

豪外相が2020年5月上旬に発表したところでは、世界保健機関(WHO)、米国、ニュージーランドとの共同イニシアチブの下、オーストラリアは太平洋島嶼国に新しい新型コロナウイルス感染症迅速検査キットを提供することを計画している。

マリセ・ペイン(Marise Payne)豪外相は声明で、最初の検査キットはフィジー、キリバス、ナウル、パプアニューギニアに届けられ、5月中に他の太平洋島嶼国9ヵ国にも供給される予定であると述べている。

ペイン外相の説明によると、これらの用具はオーストラリアの支援により調達・輸送されるものである。

太平洋島嶼国の多くでは、2019年後半から中国を起点として広がった新型コロナウイルス感染症を検査する術がなく、これまでオーストラリアなどの諸外国に検体を輸送する必要があった。

オーストラリア政府は、1時間以内に結果が得られると期待されているこの検査キットにより、世界保健機関が太平洋諸国の保健機関と協力することで、より迅速に効果的な検査を実施できるようになると発表している。(写真:メルボルンに設置されたドライブスルー施設で新型コロナウイルス感染症を検査するオーストラリア人医療従事者)

太平洋諸島における感染症例数は比較的少ない。同地域の一部では厳格な措置に違反した場合には罰金や懲役刑を科すなど、国民の外出を厳しく制限してきた。

太平洋島嶼諸国への最大の援助提供国であるオーストラリアは、近年、中国が申し出る融資や財政的支援によりその存在感が見劣りするリスクを懸念して、同地域への関与を強化する政策を打ち出している。

ウイルス収束後の経済回復を目指すオーストラリアとニュージーランドは、お互いの国境を開き、両国が「旅行バブル」と呼ぶトランス・タスマン新型コロナウイルス安全渡航ゾーンの創設を検討している。

この取り組みは最終的に他の太平洋島嶼国も取り込んで拡大されると考えられている。

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