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専門家の見解:新型コロナウイルス感染症に関連した北朝鮮の封鎖措置により他の国内健康問題が悪化

専門家の見解:新型コロナウイルス感染症に関連した北朝鮮の封鎖措置により他の国内健康問題が悪化

FORUMスタッフ

北朝鮮に関する全米委員会(NCNK)のキース・ルース(Keith Luse)事務局長が説明したところでは、新型コロナウイルス感染症に関連して北朝鮮政府が制定した制約により、他の疾患を患う国民が外国組織の援助による医療措置を受けられないという状況が発生している。

2020年5月上旬に開催されたワシントンDCのイースト・ウエスト・センター(EWC)主催のビデオ会議(テレビ会議)で新型コロナウイルス感染症パンデミック時の北朝鮮の国際交流について説明したルース事務局長によると、世界でウイルス感染拡大の危機が高まり始めた頃、北朝鮮首脳陣はいち早く入国禁止措置を講じたものの、その包括的かつ継続的な閉鎖措置により、同国では人道的損害が発生している。

ウイルスに対する北朝鮮政府の懸念の高さを指摘した同事務局長は、周辺地域でウイルス感染が蔓延する中で同国のみが被害を免れた可能性は低いと述べている。(写真:2020年4月、新型コロナウイルスへの懸念が高まる中、平壌に所在する病院内のオフィスを消毒する北朝鮮当局者等)

同事務局長は、「北朝鮮は世界の他地域とも通じていることで、同国は広範にわたる手段を講じて、他諸国の人脈を通じてウイルスについて無条件の支援を求めた」と話している。

同事務局長の説明によると、ロシアはキット類を、そして中国はさまざまな支援を提供している。北朝鮮は東南アジア諸国の政府や個人の関係者に連絡を取り、マスクなどの個人用保護具(PPE)を要求しただけでなく、スイスにも発電機や消毒剤を求めたと、同事務局長は述べている。

北朝鮮は非政府組織(NGO)からの従来型の援助は拒否しており、入国を許可された非政府組織の担当者も30日間の隔離の対象となっている。同事務局長の説明によると、現在も少数の欧州連合非政府組織が北朝鮮で活動を続けているが、同国政府により足枷がはめられている。こうした状況下では、非政府組織は遠隔地に居住する市民にマラリアや結核といった重篤な疾患の治療を提供することができない。

「これは僻地の重篤患者にとってはもちろん災難であるが、自由な活動が許されれば、こうした非政府組織は現場で患者の治療に当たり、ウイルス感染の拡大を防止できるという点で、広範にわたる同国国民にとっても問題である」と、同事務局長は語っている。

こうした制限の緩和について国際連合が北朝鮮の保健省と外務省に交渉していると説明した同事務局長は、北朝鮮の保安機関が援助を自由に受け入れることを阻止しているのではないかと疑っている。

同事務局長はまた、「自分は北朝鮮でも新型コロナウイルス感染症例が発生していると考えているが、その場合、同政府はその拡大を阻止しようとしている可能性がある」とし、「一方、僻地には同政権が見せたくないものがある。北朝鮮が国連当局の立ち入りを拒否し、非政府組織による国民の治療活動を制限する時間が長引くほど、同国で最も脆弱な立場にある人々に対してより悲惨な結果がもたらされる羽目になる」と述べている。

同事務局長の説明によると、自国の条件に同意する非政府組織からの援助を北朝鮮が受け入れる可能性はあるが、たとえパンデミック発生前に他のプロジェクトで北朝鮮と既存の関係を持っていたとしても、米国の非政府組織からだけは頑なにその援助を拒否すると考えられる。

北朝鮮は非公式に韓国にも何らかの要求を出しているが、その詳細はあまり明確ではないと、同事務局長は付け加えている。

ルース事務局長は、「新型コロナウイルス感染症例が北朝鮮で発生しているか否かに関わらず、もし感染が実際に拡大して同国が危機に陥った場合、同政府はさらに韓国に援助を求めると考えられる。現時点では、事態の全容と最終的な応答がどうなるかを予測することは困難である」と締めくくっている。

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