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台湾との外交関係を確認するマーシャル諸島

2019年9月下旬、マーシャル諸島は台湾との外交関係を確認し、声明で「台湾の人々と政府への深い感謝」を示す決議が議会で採択されたと発表した。同国は過去20年間にわたり台湾を支持してきた。

同決議はマーシャル諸島の「真の友好国および同盟国としての中華民国(台湾)のマーシャル諸島共和国への堅実な支援に対する深い感謝の意」を宣言するものである。また、自由、民主主義、人権を推進する台湾の「揺るぎないコミットメント」およびマーシャル諸島の発展を目的とする財政・技術的支援と研修奨学金を通じた台湾からの支援についても言及している。

これは、台湾を外交的に隔離することを目的とした政策を展開する中華人民共和国(中国)からの圧力を受け、ここ数週間の間に近隣の太平洋島嶼国2島が台湾と断交した後の発表であった。

ロイター通信によると、マーシャル諸島のヒルダ・ハイネ(Hilda Heine)大統領は、「我々は皆、中国による領有権拡大の企みを目にしてきた。これは民主主義国にとって大きな懸念である」と述べている。

ロイター通信が伝えたところでは、台湾島を実効支配する中華民国政府が現在正式な外交関係を維持しているのはわずか15ヵ国で、ベリーズとナウルなど、その大半は中米と太平洋に所在する小国である。2016年以降、中国による政治的圧力などにより台湾と外交関係を断った国は7ヵ国に上る。直近では、引き続き中国が影響力拡大の取り組みを強化している太平洋地域に位置するキリバスとソロモン諸島が外交関係断絶を発表している。

台湾支援の決議採択を通じて、マーシャル諸島は国連に対して「2,300万人の台湾国民を国連システムから不適切に排除する決定を覆し、台湾パスポート所有者と台湾人ジャーナリストに対する国連の差別的方針を取り止め、そして台湾が国連による持続可能な開発目標の実施に関連する会議、機構、活動に堂々と平等に参加する権利を保証する」措置を即時に講じることを進言している。

ラジオ・ニュージーランド(RNZ)の報道によると、最近、台湾による二国間人的交流の促進を通じて、台湾とマーシャル諸島の外交関係が顕著に示されている。

ラジオ・ニュージーランドが伝えたところでは、すでに台湾の大学では20人を超すマーシャル諸島の奨学金受給生が就学しているが、最近、台湾政府はこれに加えて同諸島の学生に数十の大学奨学金を提供している。台湾高官によるマーシャル諸島訪問回数も増加しており、2019年8月には台湾の企業代表者等による貿易代表団が同島を訪問している。

同ラジオ報道によると、開発に関連した農業などの専門家による台湾大使館への再訪問も今後数週間以内に予定されている。

(写真:2018年7月、台湾の台北で開催された歓迎式典でマーシャル諸島のヒルダ・ハイネ大統領を栄誉礼で迎える台湾の蔡英文(Tsai Ing-wen)総統(左))

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