インド太平洋における軍事活動を拡大するオーストラリア

インド太平洋における軍事活動を拡大するオーストラリア

トム・アブケ(Tom Abke

オーストラリアは米国との協力の下、インド太平洋地域における軍事活動の拡大に取り組んでいる。同地域における安全性の維持および法治に基づく国際秩序を継続的かつ効果的に維持する取り組みを掲げるオーストラリア国防省(DOD)は、米国および他地域の提携国と協力することで軍事展開と合同地域演習を強化している。

同国防当局はまた、インド太平洋における米軍展開の拡大に関する発表を歓迎する意向を表明している。

同国防省はFORUMに対して、「オーストラリアと米国の同盟は当国にとって最も重要な防衛関係であり、今後もインド太平洋地域における当国の戦略上および安保体制の中核となる」とし、「当国が同地域における関与を高めると共に、主要提携諸国との演習などを通じて米国が軍事展開の強化に努めていることを喜ばしく感じる」と述べている。

2019年3月、米太平洋陸軍司令官のロバート・ブラウン(Robert Brown)大将は、進行中の巡廻任務を対象としてさらに最大1万人の兵士をインド太平洋地域に派遣する予定であると発表している。ブラウン大将によると、状況やニーズに応じて他の場所に再配置する敏捷性を活かし、新たに配備される部隊は地域の提携国のニーズと能力に合わせて異なる場所に派遣される。

2019年3月11日、IPE19(Indo-Pacific Endeavour 2019)演習において、オーストラリア国防軍(ADF)は平時においては史上最大規模の軍隊を展開している。オーストラリア国防省の発表によると、オーストラリア国防軍の1,000人超の隊員を乗せた4隻の艦船がインド、インドネシア、マレーシア、シンガポール、スリランカ、タイ、ベトナムの港湾に寄港し、戦闘演習および軍事訓練に従事している。

また、同国防省の声明では、2019年4月、米軍態勢構想(USFPI)プログラムによる駐ダーウィン海兵ローテーション部隊(MRF-D)の第8回目の展開において、米軍兵士とオーストラリア国防軍兵士が協力して活動を実施している。駐ダーウィン海兵ローテーション部隊の海兵隊員は乾季の間に北豪を巡廻し、単独演習およびオーストラリア国防軍やインド太平洋諸国の他の軍隊と共に合同演習に従事する。(写真:2019年4月12日、駐ダーウィン海兵ローテーション部隊の第8回目の展開において、オーストラリアのダーウィンに所在するオーストラリア空軍基地でボーイング777から降りる米国海兵隊員)

オーストラリアの声明は、「今年の展開では、ダーウィンに駐屯する米国海兵隊員の数は2,500人に達する予定である」とし、「このマイルストーンは米国とオーストラリアの同盟の強さと永続性、そしてインド太平洋地域における強力かつ深化した両国の取り組みを表すものである」と述べている。

声明はまた、駐ダーウィン海兵ローテーション部隊により、訓練と演習の組み合わせを強化することで、オーストラリア国防軍と米軍の相互運用性および戦闘能力が高まると発表している。

もう1つの米軍態勢構想の要素として、2017年から実施されている航空協力強化(EAC)プログラムが挙げられる。これは、「合同および複合的な戦闘効果、作戦操作、能力活用の統合、戦略的物流」を通じて、各国の軍事力の空中要素における2ヵ国の協力態勢と相互運用性を強化することを目的とするものである。

声明によると、2018年7月に開催された米豪外相・国防相による閣僚協議(AUSMIN)で、オーストラリアと米国は「開放的かつ包括的、そして法治に基づき繁栄した」インド太平洋の維持に対する共通のコミットメントを確認している。同協議において両国の外相と国防相は、地域における情報共有体制の強化、海上安保、海洋状況把握、さらに能力開発、学術交流、持続可能なインフラ投資、人道支援・災害救援(HADR)への支援の強化といった措置を通じて、地域全体におけるすべての国の利益となるように太平洋地域における共同関与を増大することで合意している。

オーストラリア国防省の声明は、「オーストラリアはインド太平洋における堅固な米国のリーダーシップ継続を支持し、同地域の主要提携諸国との関係を深化する」とし、「インド太平洋地域全体の安全を確保する上で、米軍の存在は極めて重要な役割を果たす。法治に基づく国際秩序を引き続き効果的に維持するためには、米国の世界的な戦略的・経済的重要性が不可欠である」と述べている。

トム・アブケは、シンガポール発信のFORUM寄稿者。

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