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インド太平洋におけるプレゼンスを維持する米国海軍

FORUMスタッフ

米国海軍第7艦隊と米国海兵隊は、太平洋中央部からインド洋の大部分を跨いでインド西端まで広がる広大な海域を担当する米インド太平洋軍(USINDOPACOM)の領域全体で継続的に相互運用を図っている。

オンライン雑誌のザ・ディプロマット(The Diplomat)誌が報じたところでは、米海軍第15駆逐隊司令官のスティーブン・デ・モス(Steven De Moss)大佐は声明で、「米国海軍の海洋における前方展開戦力は、日本海から南シナ海とインド洋に至るまでの海域を担当している」とし、「こうした戦力のいくつかを連携させて、この手の大規模統合を行うことを非常に喜ばしく感じている。地域の安保と安定、そして国際的な規範を引き続き支えながら、当軍の戦闘即応性を強化することができる」と述べている。

神奈川県横須賀市にある横須賀海軍施設を母港とする揚陸指揮艦上に司令部を置く米国海軍第7艦隊は、米国最大の前方展開艦隊である。ザ・ディプロマット誌によると、同艦隊の2020年5月の作戦行動の編成には第3海兵遠征軍、ドック型輸送揚陸艦のニューオーリンズ(USS New Orleans)、ミサイル駆逐艦、戦闘兵站部隊所属艦艇、海上哨戒部隊、偵察機が含まれている。

同誌が伝えたところでは、第7艦隊は声明で、「戦闘概念のさらなる発展と分散海上作戦(DMO)の改善、および実世界で不測の事態に対応できるような熟練性と準備態勢の確立を目的として、こうした海上の作戦行動は相互運用性に焦点を当てている」と発表している。

新型コロナウイルス感染症危機を懸念して、他の軍隊が作戦行動を縮小する中、米国海軍は継続的に任務を遂行し、航行の自由を確保し、そして西太平洋と南シナ海における存在感を維持している。戦略を調整し、新型コロナウイルス感染から水兵を保護する対策を講じることで、米国海軍は現状を維持している。米国海軍研究所ニュース(USNI News)によると、同海軍が実施しているウイルス対策として、港湾停泊中は岸辺での乗組員と地域住民の交流を制限することが挙げられる。また、乗組員間で感染が発生していないことを確認するために、寄港間隔を延ばし、海上での滞在期間を延長している。(写真:2020年3月、フィリピン海を通過するセオドア・ルーズベルト空母打撃群と遠征打撃群(ESG)の米国海軍艦艇および第7艦隊揚陸指揮艦のブルーリッジ(USS Blue Ridge))

シンガポール基地の第7駆逐隊報道官を務めるローレン・チャトマス(Lauren Chatmas)大尉は米国海軍研究所ニュースに対して、「当軍の艦船では人的接触距離を確保し、集団行動を最小限に抑えているだけでなく、個人用保護具(PPE)を着用して、1日2回徹底した掃除・洗浄を実施している」とし、「後甲板に設置されたウォッチスタンダーにより、甲板を歩く兵士をスクリーニングし、検診が必要と考えられる症状を示す水兵が報告される」と説明している。

最近オーストラリア海軍のフリゲート「パラマッタ(HMAS Parramatta)」と合流して南シナ海で実施した演習のように、米国海軍艦船が複数展開して、同盟・提携国の艦船と共に航行する際も、引き続き追加の予防策が実施されている。

第7遠征打撃群司令官のフレッド・カシェール(Fred Kacher)少将はアジア・タイムズ・オンラインに対して、「『自由で開かれたインド太平洋』に対する米国の支持を示す方法として、米国海軍が同地域に積極的かつ永続的に関与することほど優れた策はない」と語っている。

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